書類選考や面接だけでは見抜けなかった部分でのミスマッチがあった場合、企業側と人材双方にとって不利益となります。そこで多くの企業は、人材が持つ資質を判断できる「適性検査」を採用の補助ツールとして導入しています。
今回はあらゆる適性検査の中で、知的能力を測定できる「3E-i(イーアイ)知的能力テスト」を紹介します。
3E-i知的能力テストの特徴
3E-i知的能力テストとは、どのような適性検査なのでしょうか。3E-i知的能力テストの特徴を解説します。
知的能力を測る適性検査
3E-i知的能力テストとは人材紹介サービス等を手掛ける「エン・ジャパン株式会社」が提供する適性検査の1つです。今日のビジネス社会で活躍するには学力だけでは足らず、「知的能力」が欠かせません。
では、「知的能力」とは具体的にどのような能力なのでしょうか。それは物事に対して合理的に整理し、解決策を考え実行していくような、実際の仕事で必要とされるような能力のこと。
これは学力と直結する力ではなく、その人自身が備えている力であり、職種の域を超えてすべての社会人が必要とする能力となります。
3E-i知的能力テストはこの「知的能力」を測定する適性検査で、性格・価値観を測るテストである「3E−p(イーピー)」と合わせて、「3E-IP(イーアイピー)」と呼ばれることが多いです。
測定項目
3E-i知的能力テストの測定項目は以下のとおりです。通常、同時に受検する「3E−p性格・価値観テスト」の測定項目も合わせて確認しておきましょう。
3E-i知的能力テスト | 3E-p性格・価値観テスト | |
測定項目
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2種類のテスト形式
3E-i知的能力テストのテスト形式は、次の2種類です。
- マークシート方式
- Webテスト
マークシート方式では問題冊子を配布し、その場で受験できます。大勢の受検者を一箇所に集めて検査を実施できるため、新卒採用に導入されることが多いです。
Webテストはパソコンやスマートフォン・タブレット端末等で受検できる形態。時間や場所にとらわれず受検できるため、Webテストは新卒採用や中途採用など幅広く活用されています。
3E-i知的能力テストの所要時間と料金体系
ここからは3E-i知的能力テストの所要時間と料金体系を解説します。
所要時間
3E-i知的能力テストの所要時間は「20分」です。3E-p性格・価値観テストは約15分ですので、テストの合計時間は「約35分」となります。
料金体系
原則、3E-i知的能力テストは3E-p性格・価値観テストと合わせて「3E-IP」として提供されます。「3E-IP日本語版」の料金は、以下の表のとおりです。
実施形態 | 種類 | 利用期間 | 内容 | 料金(税抜) |
Web
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Webパックプラン | 1年間 | 20件 | 70,000円 |
Web従量プラン
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1ヶ月
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基本料金
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15,000円/月
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Web従量プラン
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2年間
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採点料(1件あたり)
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3,200円/件
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マーク
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マークシート
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2年間
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1セット(20部)
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70,000円
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なお、3E-i知的能力テストと3E-p性格・価値観テストは、個別購入も可能です。
※料金は別途問い合わせる必要あり。
3E-i知的能力テストのメリット・デメリットや評判
3E-i知的能力テストはビジネスに不可欠な「知的能力」を測れる適性検査ですが、コストもかかるため導入に踏み切れない担当者も多いのではないでしょうか。そこでメリットとデメリットを天秤にかけて導入を検討してみてください。
メリット
まずは3E-i知的能力テストのメリットを紹介します。
優秀な人材を取りこぼしにくい
1つめのメリットは、優秀な人材を取りこぼしにくいことです。3E-i知的能力テストではビジネスに不可欠な「知的能力」を、総合的・多面的に把握できます。
3E-p性格・価値観テストも同時に実施すれば、創造的思考性、コミュニケーション力、ストレス耐性など、あらゆる性格特性も明らかになります。
面接では見抜くことが難しい一定の能力基準が把握でき、自社で活躍できる人材を見逃さないメリットがあります。
結果報告書が分かりやすい
2つめのメリットは、結果報告書が分かりやすい点です。
結果報告書では結果を「偏差値」や「得点」で記載したり、各項目のレベルはグラフ化したりと、視覚的に表示されます。文言は、難しい言葉や専門用語は使われず、誰が見ても理解できる内容です。
適性検査を実施する目的は結果を分析し、採用選考や入社後の配属等に活かすことにあります。はじめて利用する方でも直感的に見方が分かり、使いやすい結果報告書は、3E-i知的能力テストの魅力の1つです。
受検する側の負担が少ない
3つめのメリットは、受検する側の負担が少ないことです。
1時間以上かかる適性検査も少なくない中、3E-i知的能力テストは「20分」と短時間で受検可能。3E−p性格・価値観テストを同時に実施する場合でも、受検時間は最大「35分」と短い時間で終了できるため、受検者に負担がかかりません。
さらに、Webテストはパソコンだけでなく、スマートフォンにも対応。パソコンを持っていない候補者もスマートフォンで受検できるため、優秀な人材のとりこぼし防止に有効です。
デメリット
つづいて3E-i知的能力テストのデメリットをみていきましょう。
納品に時間がかかる
1つ目のデメリットは、納品に時間がかかることです。
3E-i知的能力テストは発注から約5営業日での納品となります。マークシートの発注枚数が多い場合は、さらに時間がかかる可能性も。
注文から手元に届くまで日数がかかることを踏まえ、余裕を持って早めに注文する必要があります。
マークシート方式では結果がすぐに出ない
2つ目のデメリットは、マークシートを選択した場合、結果が出るまでに時間がかかることです。マークシートの採点は週2回の対応となります。受検後すぐに結果は出ない点には、注意が必要です。
結果をすぐに知りたい場合は、Webテスト方式を選択するのがおすすめ。Webテスト方式では受検終了後、結果を即時に把握できます。
料金が高め
3つ目のデメリットは料金が高めの設定であること。3E-i知的能力テストの料金は他社の選考ツールよりも費用がかかります。
ただし測定項目が多く、多面的な視点から候補者の本質を見極められるのが、このテストの特徴です。そして適性検査の結果は、入社後に生じるあらゆる人材評価の場面で活用できます。
導入コストは年単位で考慮すると、決して高くはないはずです。
3E-i知的能力テストを導入した企業の評価
今回当社で適性検査ツールを導入された企業様に独自アンケートを実施いたしました。
ここでは、3E-i知的能力テストを導入した企業からの評判(メリット・デメリット)について紹介します。導入を検討している採用ご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
アンケートの概要は、下記の通りです。
<アンケート概要>
1.実施対象:人事担当者・経営者
2.実施日:2022/6/21~2022/6/28
3.実施者:株式会社ハリキリ
導入の決め手
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あまり難易度が高くない適性検査ツールを選ぶことで適当な回答を防ぎ、性格適正を知りたかったので導入しました。
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知的能力テストと性格・
価値観テストの2種類を兼ね揃えており、 当社の採用に必要な情報を得られると感じたからです。性格特性、創造的思考性、コミュニケーション力、 ストレス耐性が確認でき、 面接でわかりにくいことが発見できます。 -
測定項目が多かった
良い評価
- 結果は判断基準の基礎になり、役に立つと思います。
- ビジネスに必要な知的能力をもった人材を取りこぼしにくい
- あまり厳しすぎるような採用基準のために導入するのではなく、
ある程度採用人数が多いときに利用するのがベターだと思います。 - メリットは、判定しやすい偏差値・
得点での結果表記であることです。 一定以上の点数を取れた方が2次選考に進む選考を行っています。 - 初心者でも使いやすい
悪い評価
- 他社の専攻ツールより費用がかかること
メリット・デメリットで紹介したような声が実際に導入された企業様からも上がりました。候補者が多い場合に「ふるい分け試験」として利用するのも良いかもしれません。
3E-i知的能力テストの導入企業
3E-i知的能力テストは日本の大企業・中小企業に加えて、世界中で8,000社以上が導入し、160万人以上の方が受検しています。※2022年7月5日時点
具体的には以下のような業界で導入されています。
- 不動産
- 金融
- メーカー
- 製造
- IT・web
- 流通
- 小売
- サービス
企業規模を問わず、幅広い業界において3E-I知的能力テストは活用されています。
3E-i知的能力テストに関するQ &A
3E-i知的能力テストに関するQ&Aを紹介します。
おすすめのプランは?
テスト人数や形式によって選択するのがおすすめです。例えば、採用活動の期間が短く、実施人数が少数の場合は、従量課金制の「Web従量プラン」。
通年にわたって採用をしている場合は利用期間が長い「Webパックプラン」または「マークシートテスト」がおすすめです。
3E-i知的能力テストのみ利用できますか?
3E-i知的能力テストのみの利用は可能です。ただし、料金については別途問い合わせる必要があるので、注意が必要です。
試用版(トライアル)はありますか?
あります。一企業、一度のみ無料トライアルを受けられます。ただし、個人の方や同業者は受けられません。
さいごに
3E-i知的能力テストはビジネス社会で活躍するために欠かせない「知的能力」を測定できる適性検査です。
3E-i知的能力テスト適性検査を利用すれば、書類選考や面接では見抜けない候補者の本質が客観的に明らかになります。自社への適性を測る一つの基準となり、採用が効率化するでしょう。
また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較
採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。
当サイトでは他の適性検査ツールも紹介していますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。