昨今、「ビジネス・アナリティクス」が注目されています。これは、ビジネス界において組織全体の多角的なデータをあらゆる角度から分析し、企業のコスト削減や顧客エンゲージメントなどの成果を生み出すプロセスのことです。
「アッテル」はこの考え方に基づき、適性検査に加えて企業の「人」に関するあらゆるデータを分析し、総合的に支援する「アナリティクス・サービス」を提供するツールです。
今回は、そんな「アッテル」の機能や特徴、導入メリットについて詳しく説明します。
「アッテル」とは
アナリティクス・サービス「アッテル」とは、株式会社アッテルの提供するシステム・サービスです。データから読み取れるパターンを細かく分析し、企業のデータ活用に関するあらゆる取り組みを総合的にサポートします。
これまで、企業の採用活動は感覚的な人事によって行われることも多く、勘違いや失敗からミスマッチが発生し、離職者が出てしまうこともあったでしょう。
この「アッテル」は、そんな属人的な勘や経験などに頼っていた人事業務についてシステムのデータを分析・蓄積し、従業員を把握してより客観的に人材配置を行うことを可能とするツールです。
「アッテル」の主な7つの機能
アナリティクス・サービス「アッテル」には、大きく分けて7つの機能があります。
- データ管理
- データ登録
- アッテル診断
- 適性診断分析
- 採用力分析
- BI機能
- 予測
ここでは、各機能について具体的にご説明します。
データ管理
「アッテル」のデータ管理機能は、大きく分けて8項目あります。
- 従業員データ
- 組織図
- 評価(等級・給与)
- 応募者データ
- 募集ポジション
- 外部データ
- カスタム項目(従業員)
- カスタム項目(応募者)
一度でも企業に関わった従業員・候補者の情報は一元管理・蓄積し、組織変更のデータも時系列で確認できます。
また、従業員の等級・給与履歴、人員を募集している部署・チームのデータ履歴、自社アンケート・他社の適性検査に関するデータの管理も可能です。
このほか、従業員や候補者について自社独自のカスタム項目を設定できます。
本機能の8項目をかけ合わせれば、従業員を含めた企業に関わる「人」について感覚に頼ることなくデータを客観的に分析し、採用活動や人材配置の検討が可能です。
データ登録
「アッテル」の「データ登録」機能は、すべての登録データをCSVファイルによってアップロードしたり、ダウンロードしたりできます。
どんな目的でどんな情報をかけ合わせるのかによって検出されるデータは異なり、落とし込むグラフやリストも同一ではありません。
本機能によって、アップロード・ダウンロードしたデータを自由に加工できます。
アッテル診断
「アッテル」の「アッテル診断」は、いわゆる「適性検査」の機能で、主に下記の3項目に分かれています。
- 資質診断
- 基礎能力診断
- なりすまし防止機能
「資質診断」で、価値観やカルチャーなど従業員や候補者の「人となり」に関する検査を行い、「基礎能力診断」は、アッテル社によるデータ分析技術を用いた約15分程度の短時間ながら高い精度を有する検査を人数無制限で実施できます。
「なりすまし防止機能」は、「なりすまし(替え玉)のチェックする機能です。
本機能により、従業員や候補者が多数の場合も効率的にスクリーニングを行い、低コストで信頼性の高い結果を得られます。
適性診断分析
「アッテル」の適性診断分析は、「アッテル診断」と他社の適性診断を分析する機能です。
本機能は、下記の5項目によって大別されます。
- 評価分析
- 比較分析
- 分布分析
- 類似分析
- 類似従業員
本機能により、自社従業員の「ハイパフォーマー」と「ローパフォーマー」の可視化や適性診断を受検した従業員同士、自社従業員と採用活動の候補者の比較が可能です。
また、組織全体の評価表示や自社の上長と部下の類似度分布を把握し、特定の自社従業員と、価値観の近いほかの従業員とをリスト化できます。
本機能は、ミスマッチの回避、育成指導方針の決定、最適な人事配置、新しくチームや部署を結成する際の参考に役立つでしょう。
採用力分析
「アッテル」の「採用力分析」は、自社の採用力を定量化する機能です。本機能には、2つの項目「採用力偏差値」と「面接官分析」があります。
本機能を「PDCAサイクル」に活用して採用活動の起動修正や、面接官の育成や研修に役立てるとよいでしょう。
BI機能
「アッテル」の「BI機能」とは、ビジネス・インテリジェンス機能のことです。本機能は、下記の3項目に分かれています。
- 外部データ分析
- 退職率分析
- カスタム項目分析
本機能により、自社アンケートや他社の適性検査、従業員の貢献意欲の分析、退職者の傾向や部署履歴など過去データを分析できます。
企業が自由に設定できるカスタム項目分析を設定することで、評価や退職の傾向も分析可能です。
1年以内・3年以内など5つの集計に対応している退職率・カスタム項目分析で在籍年数ごとの離職者の類似性などを把握できれば、離職者の低減につながります。
予測
「アッテル」の「予測」は、下記の3項目でシミュレーションする機能です。
- 入社後活躍・退職シミュレーション
- 入社後活躍・予測(AI)
- 早期退職予測(AI)
本機能は、自社独自の「採用基準」を設定し、精度が日々向上するAIの使用によってシミュレーションします。
将来、候補者が入社後にどの程度活躍できるか、早期退職するかどうかの結果を採用活動時の最終選考時に活用すると効果的です。
適性検査における「アッテル」の役割
アナリティクス・サービス「アッテル」は、適性検査「アッテル診断」と併用することで、すぐれた機能を発揮します。ここでは、適性検査における「アッテル」の役割をご説明します。
適性検査の実情
昨今、採用活動時などで実施される適性検査は、受検者が「正解をわかってしまう」ことが課題となっています。
たとえば、ストレス耐性に関する設問の場合は、ストレスを感じやすいかどうかを把握する内容となるため、受検者が、どの選択肢を選べばどう判断されるのかを予測しやすい検査が少なくありません。
実際、アッテル社調べでは、学力・能力に関する適性検査の精度は、約45%であるとの結果が出ています。
一方、性格の優劣に関する検査の場合は、作為的に回答することが可能となるため、その精度はおよそ15~30%程です。
しかし、性格の優劣に関係ない検査は、作為的に回答できないため、精度は約32~59%まで向上します。ちなみに、59%という数字は、検査結果にハイパフォーマーとローパフォーマーを数値化する「ハイロー分析」を加えることで、精度がおよそ10%以上向上したことを示しています。
つまり、現状では、採用活動時に学力・能力検査で「足切り」を行ってから、性格の優劣に関係ない適性検査を実施して「ハイロー分析をかける」と最も精度が高くなり、効率的です。
「アッテル診断」の活用法
「アッテル診断」は、AIを活用している定額の適性検査です。
テスト時間は約10分程度で、組織や企業の特徴の可視化に加えて採用活動時の適性検査としても活用できます。
効果的な活用法として、まず、自社従業員に実施した「アッテル診断」の検査結果を基に、「アッテル」独自に開発された分析機能で自社の「採用基準」を策定するのがおすすめです。
次に、この「採用基準」に従って、自社従業員のハイパフォーマーとローパフォーマーの全員を網羅して分析し、自社に最適な人材を判定するとよいでしょう。
その後、採用活動の候補者に「アッテル診断」を実施し、先の「採用基準」に基づいて自社の部署や管理職との相性・入社後の活躍見込みを分析すれば、自社従業員の把握だけでなく、採用活動の候補者選定にも活用できます。
「アッテル」の3つのプランと料金体系
「アッテル」を導入する際は、下記の3つのプランがあります。
- スモール
- スタンダード
- コンサルティング
「スモールプラン」は、30人以下または31~60人の従業員を登録でき、月額1万円から利用できるプランです。本プランは、無制限で「アッテル診断」を実施し、「アッテル診断分析機能」を活用できます。
「スタンダードプラン」は、月額3万円より利用できるプランです。本プランは、登録可能従業員数は100人以上で、無制限で「アッテル診断」を実施できるほか、「アッテル診断分析・外部データ分析・検証シミュレーションを利用できます。
「コンサルティングプラン」は、100人以上が利用する場合で、別途見積もりが必要です。
なお、本プランは、登録従業員数は無料でアッテル診断を無制限で活用できるほか、外部データ分析、検証シミュレーション、AIによる従業員の活躍・退職予測の利用が可能です。
「アッテル」を導入する6つのメリット
アナリティクス・サービス「アッテル」を導入すると、大きく分けて6つのメリットがあります。
- 自社に必要な人材を可視化できる
- 他社検査と比べて精度が高い
- 自社従業員のパフォーマンスを包括的に把握
- 採用活動の見直しができる
- 自社従業員の退職率を軽減できる
- 情報に関するセキュリティが万全
この6つのメリットについて、順を追ってくわしく解説します。
自社に必要な人材を可視化できる
1つ目のメリットは、自社に必要な人材を可視化できることです。「アッテル」は、10万人のデータを基に分析し、AIを活用して人材情報の定量化を実現します。
これまでに蓄積したデータと、日々アップデートするAIを活用することで、これまで表現しづらかった自社従業員の「人となり」を数値で確認できます。
さらに、「アッテル」に搭載された「適性検査分析機能」によって、従業員同士だけでなく、従業員と候補者の比較が可能です。
本機能を活用すれば、自社で活躍している従業員の傾向を割り出し、採用活動時の候補者の中から本当に自社に必要な人材を見極められます。
他社検査と比べて精度が高い
2つ目のメリットは、他社検査と比べて精度が高いことです。昨今は、インターネットの普及や適性検査への注目度から、受検者が事前に適性検査を攻略する可能性もあり、作為的な回答によって精確に判断できない現状にあります。
特に、ストレス耐性や意欲など性格的に優劣がつけられるような設問の多い適性検査では精度も30%以下となるため、採用活動でその結果を鵜呑みにすると、ミスマッチのリスクがあって危険です。
そこで、「アッテル診断」を活用すると、価値観やカルチャーに関する診断とデータ分析によって受検者ごとに異なる内容の基礎能力診断を15分程度で実施できます。
また、「アッテル診断」の資質診断は性格の優劣を予測できない内容ですので、基礎能力診断と併用すれば、適性検査の精度は大幅に上昇するでしょう。
採用活動の見直しができる
採用活動の見直しができるのも、「アッテル」を導入する大きなメリットといえるでしょう。どんな仕事も「PDCAサイクル」を活用し、前回の失敗や課題を解決することが大切です。
「採用力分析」機能によって、他社と比較した自社の採用力や各面接官の採用力を分析することで、自社の採用活動自体にどんな課題があるのかを確認して改善策を立てれば、今後の採用活動に活かすことができます。
自社従業員の退職率を軽減できる
自社従業員の退職率を軽減できることも、「アッテル」を導入するメリットの1つです。
「アッテル」の分析結果から自社の「採用基準」を作成しておけば、自社の退職率だけでなく、退職者をシミュレーションできます。
AI機能により早期退職者を予測できますので、事前に退職する可能性の高い従業員を把握し、面談やヒアリングなどの対策を講じることで退職者を低減できます。
情報に関するセキュリティが万全
「アッテル」導入の6つ目のメリットは、情報に関するセキュリティが万全なことです。
「アッテル」は、外部からのセキュリティ対策として、インターネット上でデータを暗号化して送受信するSSLおよびTLSに対応しています。
暗号化することで、第三者による盗聴や傍受・データの改ざん・なりすまし行為などのリスクを回避できます。
さらに、企業各社ごとにデータベースが管理されるため、他社からデータにアクセスされるリスクが最小化されます。企業ごとのデータベースは専門業者によって厳重に管理されるため、極秘情報の漏えいリスクをさらに引き下げることができます。
一方、企業内においても、適性検査の結果を含めた従業員の個人情報や人事に関する極秘情報は、厳重に管理しなければなりません。
その点、「アップル」は自社内で3段階の権限を設定でき、情報の閲覧や編集を行う際、経営者・人事責任者・人事担当者の3階級によって必要な情報のみアクセス権限が付与されます。
通常の自社従業員は、重要な個人情報や機密情報にアクセスできませんので、オフィス内のセキュリティ対策も万全です。
「アッテル」の評判について
適性検査「アッテル」は、幅広い業界で使用されています。
本検査の評判について、実際に導入されている企業の一部にアンケートを実施しました。
アンケートの概要は、下記の通りです。
- 実施対象:人事担当者・経営者
- 実施日:2022/6/21~2022/6/28
- 実施者:株式会社ハリキリ
「アッテル」導入の決め手
アンケートの結果、適性検査「アッテル」を導入した決め手については、下記の通りです。
費用や使いやすさが導入の決め手となっているようです。
- プランが選べて無料のトライアルがある
- 診断結果もかなり細かく分析してくれる
- 各人や各部署での比較がしやすい
- 費用が安い
- 蓄積されたデータ数とAIの精度がよい
- 使いやすい
- 知り合いの会社が使っていたから
「アッテル」の良い評判
アンケートの結果、以下のような良い評判がありました。特に、データの比較をしやすいところが好評です。
- 各人や各部署での比較がしやすい
- 一番安いスモールプランでも、かなり細かい適正診断ができる
- 従業員データの登録や管理も簡単で便利
- コストパフォーマンスがいい
- 細分化してからの比較がしやすい
- より正直な回答が集まっている
- 新卒や中途の採用時に役立つ
- AIの精度もあり、性格によって適材適所に配置できて良い
- 事実・データに基づき分析しやすいのがいい
- 我が強いなどの性格が出るのがよい
「アッテル」の悪い評判
アンケートの結果、悪い評判については、下記の回答がありました。
- プランによって機能の差は出てしまう
- 人員配置を考える際のデータとしては弱かった
「アッテル」の各業界・導入事例
先のアンケートのほかに、各業界における導入事例をご紹介します。
※2022年8月4日現在
株式会社PLAN-B
1.従業員数:101~1,000人
2.業種:IT系
3.導入目的:適性検査の導入、配置の定量化
4.感想:
・アッテル適性診断は、人を知るための検査として一番正しいツール
・企業理念に合うか合わないかを判断するのに最適
・新人とトレーナーの組み合わせに分析ツールが活用できる
・問題の起こっていた上司・部下に効果があった
・従業員の言動の背景にある思考や感情を推測できる
・善し悪しの検査でないため、ポジティブに結果を本人に伝えられる
・開発者のサポートがよい
・従業員の情報~評価までを一括管理できるとよい
・今後のアップデートを期待したい
・企業理念とあっているかどうかを見極められるとよい
三ッ輪ホールディングス株式会社
1.従業員数:101~1,000人
2.業種:インフラ系
3.導入目的:活躍人材の予測、配置の定量化
4.感想:
・カスタマイズが容易
・応募者は無料、社員のみ課金というところがよい
・失敗のデータも蓄積できるところがよい
株式会社ジェーシービー
1.従業員数:1,001~10,000人
2.業種:クレジットカード業
3.導入目的:活躍人材の定量化、配置の定量化
4.感想:
・継続的に分析できる
・既に利用している適性検査のデータも分析できる
・複雑な分析はコンサルティング依頼ができる
・操作がスムーズ
・AIの条件を手動で微調整して変化を検証できてよい
株式会社ウェルヴィーナス
1.従業員数:11~100人
2.業種: 卸売・小売業
3.導入目的:活躍人材の予測、活躍人材の定量化
4.感想:
・定額制で従来の適性検査より安い
・傾向や価値観が明確に出る
・検査時間が短く、受検者に負担がかからない
・他社の適性検査と結果をつい合わせてチェックできる
株式会社フルスピード
1.従業員数:101~1,000人
2.業種:マーケティング系
3.導入目的:活躍人材の予測、配置の定量化
4.感想:
・ワンクリックで可視化できてよい
・使いやすい
・採用・配置における社内認識を統一しやすくなった
・統計の基礎やデータに関するツールやマニュアルがあるとよい
・活用事例を知る機会があるとよい
さいごに
採用活動や異動時のミスマッチを減らしたい企業にとって、アッテル診断や入社後の活躍・退職シミュレーションが役に立つことがわかりました。もちろんプランによって機能の差はありますので、費用も含めて導入検討の際は注意するといいでしょう。
また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較
採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。
当サイトでは他の適性検査ツールも紹介していますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。