適性検査ツールの紹介

【事例あり】DPI(ディーピーアイ)適性検査とは?メリットと効果、導入の注意点を解説

「学歴社会」という言葉があるように今までの新卒採用では「学歴」が重視されてきましたが、近年では「性格」や「価値観」、「思考力」など学歴以外の能力も注目されています。学歴以外の能力を測るには、適性検査が有効です。

今回はあらゆる適性検査のなかで、「学歴以外の能力を判定できる」という面で強みのある、DPI(ディーピーアイ)適性検査を紹介します。

 

DPI適性検査の概要


DPI(ディーピーアイ)適性検査は、企業で活躍するために欠かせないパーソナリティ特性である「態度能力」を測定するテストで、株式会社ダイヤモンド社が提供する適性検査の1つとなります。

では、DPI(ディーピーアイ)適性検査とは具体的にどのようなテストなのでしょうか。順番に解説していきます。

DPI適性検査で測定できること

DPI(ディーピーアイ)適性検査では「態度能力」を測定します。態度能力とは、やる気やリーダーシップ、親和性、精神面や感情の安定性など、パーソナリティに関係する能力のこと。

人間の能力には「知的能力(IQ(アイキュー)・学歴)」「技能・技術的能力(資格・作業・スキル)」及び「態度能力」の3つの側面があると言われ、「態度能力」は社会で成功するために必要な能力とされています。

DPI(ディーピーアイ)適性検査は、この「態度能力」に着目したテストで、具体的には以下の14の特性項目を診断します。

  1. 積極性
  2. 協調性
  3. 慎重性
  4. 責任感
  5. 活動性
  6. 持久性
  7. 思考性
  8. 自主性
  9. 自己信頼性
  10. 共感性
  11. 指導性
  12. 感情安定性
  13. 規律性
  14. 従順性

1〜4は「基礎診断項目」と呼ばれ、あらゆる職種に必要とされる特性項目です。5〜14までが職種ごとに必要とされる能力を測る「個別診断項目」となります。
これらに答えることで、受検者の「態度能力」が判定でき、以下のような仕事への適性が判断できます。

  • 営業系
  • サービス系
  • 総務・人材系
  • 経理系
  • 企画系
  • 技術・開発系
  • 生産現場系
  • 情報技術系
  • 一般事務系
  • 管理職

DPI適性検査の所要時間・料金

上述の通り、DPI(ディーピーアイ)適性検査は14の特性項目により構成されています。その回答数は合計で132問。

受検時間は「20分」で、採点時間は約10分となります。(自社採点方式)
DPI適性検査の種類は、次の6つに区分されます。

  • DPI(ディーピーアイ):自社採点方式
  • DPI-C(ディーピーアイシー):自社採点方式/中国語版
  • DPI-COM(ディーピーアイコム):コンピュータ診断方式
  • Web-DPI(ウェブディーピーアイ):Web診断サービス/標準プラン
  • Web-DPI(ウェブディーピーアイ):Web診断サービス/大量受験者向けプラン
  • Web-DPI(ウェブディーピーアイ):Web診断サービス/英語版

それぞれの料金は、以下の通りです。

サービス 金額(税抜)/1名あたり 金額(税込)/1名あたり
DPI(ディーピーアイ):自社採点方式 900円 990円
DPI-C(ディーピーアイシー):自社採点方式/中国語版 900円 990円
DPI-COM(ディーピーアイコム):コンピュータ診断 2,500円 2,750円
Web-DPI(ウェブディーピーアイ):Web診断サービス/標準プラン 2,500円 2,750円
Web-DPI(ウェブディーピーアイ):Web診断サービス/大量受験者向けプラン 1,500円 1,650円
Web-DPI(ウェブディーピーアイ):Web診断サービス/英語版) 3,000円 3,300円

 

DPI適性検査の利用シーン

適性検査は大きく以下の4つのシーンに分けて利用され、DPI(ディーピーアイ)適性検査も同様です。

  1. 採用活動
  2. 社員傾向の分析・蓄積
  3. 異動・配置・配属
  4. 人材の育成

1つ目の利用シーンは、新卒採用や中途採用といった選考時です。一次面接の後や最終面接に進む前に検査が実施される場合が多くなります。適性検査の内容を踏まえた上で質問をすることにより、候補者の本質を深く理解するのに役立ちます。

2つ目の利用シーンは、社員の傾向分析するときです。社員の傾向を分析し、そのデータを蓄積することにより、自社に合う人物像が明確になります。

3つ目の利用シーンは、社員の異動や配置・配属を決定するときです。検査により明らかになった適性職種により、従業員の能力に合った配置が実現できます。

最後は、人材の育成時です。適性検査では社員の強み弱みが測定されます。社員が抱えている問題の本質を認識でき、意識改革に役立ちます。

 

DIST適正検査との違い

「DPI(ディーピーアイ)適性検査」と「DIST(ディスト)適性検査」、いずれもダイヤモンド社が提供する適性検査となります。DPI(ディーピーアイ)適性検査は「態度能力」と「適性職務」を判定するテストです。

一方のDIST適性検査は、受検者の「ストレス耐性」を判定するもの。
メンタル不調により休職・離職する人が増えている背景から、近年、ストレス耐性が選考時において重視されています。ストレスに耐え得るパーソナリティであるかどうか測定するために、DIST(ディスト)適性検査は活用されています。

 

DPI適性検査を行うメリット、効果


ここからはDPI適性検査を行うメリットと効果を解説します。

実績を上げる人材の判定が可能

「態度能力」は、意欲を持って物事に取り組む力であったり、対人関係をスムーズに処理する力のことです。それは組織に順応する資質であり、社会で活躍していくために不可欠な力と言えるでしょう。

DPI(ディーピーアイ)適性検査ではこの「態度能力」が分かるため、自社で実績を上げる人材であるかどうかを判定できるメリットがあります。

また、検査を通じて「自社に合わない人材であるかどうか」も見極めることも可能です。
採用活動の負担軽減にも、DPI(ディーピーアイ)適性検査は役立ちます。

職業適性が明確になりミスマッチが防げる

DPI(ディーピーアイ)適性検査では筆記や面接だけでは分かりにくい「能力」や「人柄」が数値化され、候補者に適した職種が認識できます。それにより入社後のミスマッチを減らせるでしょう。

候補者に適した職務に配置できれば、意欲的に仕事に取り組めます。その結果、離職率の改善に期待できます。

標準化されたデータで信頼度が高い

DPI(ディーピーアイ)適性検査は1965年に開発されて依頼、延べ1,000万人以上が受検しているテストです。長年にわたり蓄積したサンプルをもとに標準化されたデータで、信頼できる診断結果を得られます。

態度能力は卒業学校や面接だけでは測りきれません。信頼度の高いデータを利用することで、自社に必要な能力を持ち合わせた人物であるかどうか、安心して予測できるでしょう。

 

DPI適性検査を実施する際の注意点

つづいてDPI(ディーピーアイ)適性検査を実施する際に注意すべきポイントを解説します。

職種に適したポイントを見極める

DPI(ディーピーアイ)適性検査を実施する場合、応募職種に適したポイントを見極めることが大切です。例えば募集職種が「営業職」であれば「活動性」や「積極性」などが重要かもしれませんし、「経理職」であれば「規律性」「責任感」を重視するかもしれません。

どのポイントを重視するかは企業により異なりますが、大切なのは「自社の風土や応募職種に適したポイントであるかどうか」
適性検査が企業で導入される理由は、学歴や面接での印象が良かった社員が、配属された職種にマッチできず、早々に辞めてしまうケースが多々あるからです。

DPI(ディーピーアイ)適性検査を使用する際は、まず自社の採用基準を明確にしておくことが重要になります。

受験する人の負担を軽減する

DPI(ディーピーアイ)適性検査を受ける側の負担も考慮しなければなりません。

DPI(ディーピーアイ)適性検査の所要時間は約20分ですが、検査を受けるための移動時間を考えると、候補者を長時間拘束することになります。面接の前後に適性検査を実施するのであれば、拘束時間はさらに長くなるでしょう。

候補者が時間を確保できない場合、選考を辞退する恐れがあります。このようなリスクを回避するには、「オンライン受検」が有効です。

DPI−Web(ディーピーアイウェブ)ではインターネット環境さえあれば、24時間いつでも・どこでも受検できます。これらを活用すれば、受験する人の時間や交通移動の負担にならず検査を実施できるでしょう。

複数回実施して長期的に活用する

DPI(ディーピーアイ)適性検査は1回だけで済ませるのではなく、複数回実施して長期的に活用することが重要です。

何度も検査を実施することにより、「自社に合った人材とはどのような人物なのか」「自社の職種に適したパーソナリティは何か」が、よりクリアになります。

DPI(ディーピーアイ)適性検査では、優秀な社員の検査結果を自社の採用基準として作成することも可能。それを今後の採用活動に活かすことで、自社にマッチした人材を効率よく確保できるでしょう。

 

DPI適性検査の導入事例と利用者の声・評判

ここからはDPI適性検査の導入に成功している企業の事例を紹介します。※2022年6月8日時点

導入事例1 外資系保険会社X社

外資系保険会社X社の営業本部では、優秀な営業パーソンを確保するため、DPI(ディーピーアイ)適性検査を導入しました。

まず自社の営業パーソンが検査を実施して、その後、自社に合った特性項目を明らかにし、その特性項目を「選考基準」として採用。自社で活躍するために必要となる特性項目を発見したことにより、優秀な営業パーソンを確保でき、業績を上げることに成功したようです。

導入事例2 メーカーH社

メーカーH社では、若手社員のモチベーション向上を目的とした研修に、DPI(ディーピーアイ)適性検査を活用しました。

同社では研修前にDPI(ディーピーアイ)適性検査を実施して、その後、研修中にもう一度各々振り返りを実施。そして、各人の自己採点とDPI(ディーピーアイ)適性検査の診断結果を比べ合わせ、その違いを確認させました。

普段の行動特性と自身のパーソナル特性の違いを認識させたことにより、自身の長所短所を把握した上で仕事に取り組めているようです。

 

さいごに

DPI(ディーピーアイ)適性検査は仕事で活躍していく上で重要となる「態度能力」を明らかにしてくれる道具です。態度能力を数値化することにより客観的な基準が明確になり、その結果、採用のミスマッチを防げ、早期に実績を上げる人材が確保できるでしょう。

また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較

採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。

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