多くの企業が採用選考に適性検査を取り入れています。適性検査にもいろいろな種類がありますが、それぞれの特徴を把握して選ばないと「せっかく導入したのにいまいち…」という事態になりかねません。
今回は、メジャーな適性検査のひとつ「GAB」の特徴を解説します。導入した企業からの評判や、CABとの違いも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
GABの概要
GABは、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供している適性検査です。総合職の検査として使われることが多いのが特徴です。
日本エス・エイチ・エル(株)は、イギリスに本社を持つSHLグループとライセンス契約を結び、日本国内の企業向けに人材アセスメントサービスを提供しています。
日本エス・エイチ・エル(株)が提供している適性検査はSHL適性検査と呼ばれており、中でもGABはメジャーなテストです。英語にも対応しているので、外国人の採用選考にも対応できます。
日本エス・エイチ・エル(株)の概要
設立 | 1987年12月22日 |
資本金 | 6億5,603万円 |
本社所在地 | 東京都中野区中央五丁目38番16号 STNビル |
代表者 | 代表取締役 奈良学 |
※上記情報は全て2022年7月20日時点。
GABの特徴
ここでは、GABの特徴を紹介します。GABの特徴は次の7つです。
- 総合職の採用に向いている
- オンラインで結果が分かる
- 知的能力とパーソナリティの両方を診断できる
- 回答の仕方から結果を信頼できる度合いが分かる
- 面接で質問すべきことが分かる
- 適性検査はOPQを使用
- オプションをつければ適性検査がより詳細に行える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
総合職の採用に向いている
GABは、営業職・研究開発職・コンサルティング職・コンピューター職などさまざまな職種を対象としており、幅広い業界で採用されています。
時間制限が厳しく、多くの企業の総合職に必要とされる事務処理能力も求められるため、学力よりも適性が重視される傾向にあると言えるでしょう。
将来のマネジメント適性や職務適性がチェックできるのもポイントです。
オンラインで結果が分かる
GABでは、採点当日にオンラインで検査の結果が分かるのも便利です。オンラインで結果が確認できることで、結果閲覧までの時間短縮や発送費用の削減に繋がります。
出力形式は以下の4つがあり、好きなものを選択できます。
- 閲覧用データ(CSV)
- リポートジェネレータ取り込み用データ(srd形式)
- オンライン帳票(PDF形式)
- リポートセンター登録用データ(CSV形式)
※リポートジェネレータは日本エス・エイチ・エル社専用の帳票出力ソフトのこと
なお、アップロードした日を含め30日間何度でも無料でダウンロード可能です。送料を支払えば、紙データの送付もしてもらえます。
オンラインシステムの動作環境は、以下の通りです。
OS | Microsoft Windows 8.1/10を推奨 |
ブラウザ | Microsoft Internet Explorer 11を推奨 |
ブラウザの設定 | JavaScript/Cookieが使用可能 |
通信環境 | インターネットに接続できること |
知的能力とパーソナリティの両方を診断できる
GABでは、働く際に必要になる知的能力とパーソナリティの両方を診断できます。それぞれの内容は次の通りです。
知的能力 | 言語理解/計数理解/英語理解(C-GABのみ) |
パーソナリティ | 人との関係/考え方/感情・エネルギー |
回答の仕方から結果を信頼できる度合いが分かる
GABでは、回答に一貫性があるかという視点から、結果を信頼してもよいかの判断がされます。適当に回答していて一貫性がなかった場合、信頼度合いが低いという結果が出ます。信頼度の提示により、選考時の判断ミスを減らせるのです。
面接で質問すべきことが分かる
GABは、診断結果に応じて面接で聞いておいたほうがよいことも分かります。質問の仕方の例があるので質問しやすく、面接を有効に使えるのが嬉しいポイントです。
性格検査はOPQを使用
GABの性格検査はOPQを使用しています。OPQは世界中で利用されている性格検査で、日本では国内で年間120万人以上が受検しています。
OPQは、作為的な回答がしづらい設計になっているのがメリットです。
例えば「論理的に考えることが得意だ」という設問があるとして、選択肢を非常に当てはまる〜まったく当てはまらないで5段階に分けたとします。
すると「非常に当てはまる」を選択したほうがよいと考えて、当てはまらないのに「非常にあてはまる」を選ぶ受検者が出てくることがあるでしょう。
OPQでは上記のような事態を防ぐため、次のような設問にしています。
回答:A.論理的に考える B.細かい作業が得意だ C.決断が早い D.人の批判を気にしない
こうすることで、受検者の本来の性質が判断できるのです。
OPQの詳細は以下の記事でも紹介しているので、ご覧ください。
OPQとは?仕組み・役立つ3つのシーンを解説
オプションをつければ適性検査がより詳細に行える
通常の適性検査にオプションをつけることでより詳細に適性をチェックでき、入社後の配属や育成に活用できます。
項目 | 内容 |
適性分析報告書 |
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CHT |
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ストレス耐性リポート |
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CHX |
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育成用帳票 TAG |
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※CHXの出力は別途Webのシステム(リポートセンター)の申し込みが必要
※TAGの出力は、別途Webのシステム(リポートセンター)の申し込みが必要
GABの種類
GABには3種類あります。回答方式や受検場所などの特徴の違いを表にまとめました。
GAB | WebGAB | C-GAB・C-GAB plus | |
回答方式 | 筆記試験(マーク式) | PC | PC |
実施場所 | 企業や企業の指定場所 | 受検者の自宅 |
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科目 |
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所要時間 | 90分 | 80分 | 60分 ※適性検査を除いた時間 |
料金 |
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または
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要問合せ |
メリット |
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デメリット |
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備考 |
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GAB
GABは、問題が紙の冊子になっているタイプです。企業や企業の指定場所で実施するため、不正がないように監視できるのがメリットです。
しかし、試験監督を担当する社員の業務時間が取られるデメリットがあります。また、紙のため紛失しないよう注意して管理しなければなりません。
WebGAB
WebGABは、受検者が自宅のPCで受検するタイプです。受検当日の会場の手配や監督が不要なので、手間が省けるメリットがあります。
ただし、試験中見張ることができないため、不正がないとも言い切れません。
C-GAB・C-GAB plus
C-GABとC-GAB plusは、テストセンターで受検するタイプです。C-GAB plusが新しく登場し、従来のC-GABから順次移行されていきます。
C-GAB plusは、テストセンターに加えてオンライン監視型のWeb会場も選択可能です。オンラインで監視できるため、不正ができないメリットがあります。
また、テストセンターに行かなくても受検できることにより、受験機会の拡大・受験者の離脱防止に効果的です。
C-GAB plusは海外拠点も存在し、その数は世界180カ国以上、4,000拠点以上にも上ります。
GAB導入企業の声・評判
今回当社で適性検査ツールを導入された企業様に独自アンケートを実施いたしました。
ここでは、GABを導入した企業からの評判(メリット・デメリット)について紹介します。導入を検討している採用ご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
アンケートの概要は、下記の通りです。
<アンケート概要>
1.実施対象:人事担当者・経営者
2.実施日:2022/6/21~2022/6/28
3.実施者:株式会社ハリキリ
導入の決め手
- GABは、多くの企業で採用されている実績があるので、導入する上で安心感がありました。また、総合職採用に向いている検査ツールなので、その点が当社のニーズにマッチしました。
- 適性検査テストとして有名で、結果が信頼できそうなので採用しました。また基礎能力の他にも、当社で働く上で重要なバイタリティやチームワークなどの能力も予測することができる点も、採用の決め手となりました。
- 同業他社で導入している割合が高いことと、知名度の高い点が決め手になりました。
- 論理的思考を要する問題が多く出る点。難易度が高い点。
- 比較的に適性検査ツールとしてはメジャーで、問題の難しさより素早く正確に問題を解く能力のある新卒採用に役立てるため。
- 試しに使ったときに一番使いやすかったので。
GABのメリット
- 新卒採用における、人材配置をする上で、適性職種の判断に繋げる利用意図であれば、利用する利点はあると思います。加えて、英語能力を図れる強みがある分、外国人採用に積極的な企業だとお勧めです。
- 問題は中学生レベルだと思いますが、それでも時間制限が短いので短時間で正確に問題を解く能力が問われて採用候補者を絞るのにとても役立つツールだと思います。
ただし、特別な専門性が問われるような適性検査ツールというわけではないので、特別な才能に特化した採用候補者を発掘するというよりも真面目で一定水準の能力を持つ採用候補者を逃さないというようなツールだと思います。
GABのデメリット
- デメリットとしては、適正検査ツールの結果に頼り過ぎてしまい、有能な人材を採用し損ねる可能性がある点です。
- デメリットは、他の適性検査よりもコストが高くて、特にwebテストの費用が高い点がデメリットだと思います。
- 採用選考としてはかなり使えましたが、最初は使い方がわからず難しい部分がありました。
アンケートまとめ
GABは有名な適性検査ツールで、難易度も高いことから多くの企業で採用されていることがわかりました。問題の形式からも結果が信頼できると考え、導入されている企業もありました。
一方で、その信頼性の高さから過信しないように注意が必要という意見や費用を気にされる意見もあったので、他のツールと比べる際は参考にするといいでしょう。
GABとCABの違い
GABの他に、CABという適性検査も耳にしたことがあるのではないでしょうか。それぞれの違いを表でまとめました。
GAB | CAB | |
対象 | 総合職 | SE・プログラマーなどコンピューター職 |
科目 |
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GABは総合職向け、CABはSE・プログラマーなどコンピューター職向けの適性検査です。
CABは思考力を問う問題が多く、日頃勉強していないと得点が取れません。事前対策が難しいのが特徴です。
さいごに
GABは、総合職の採用に適した適性検査です。多くの企業の総合職に必要とされる事務処理能力も求められるため、時間制限が厳しく難易度が高いと言えます。回答の信頼度や面接で質問すべき事柄が分かるのもメリットでしょう。
GABを導入した企業からは、問題を素早く正確に解く人材を集めるのによいとの声が多く見られます。総合職で採用したい・事務処理能力の高い人材が欲しいとお考えの採用ご担当者様は、GABを検討してみてはいかがでしょうか。
また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較
採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。
当サイトでは他の適性検査ツールも紹介していますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。