適性検査ツールの紹介

一般職業適性検査「GATB」とは?特徴や料金を一挙紹介!

企業向けだけでなく、学生向けのサービスもあるGATB。学生は将来の職業を決めるために利用でき、進路指導にも役立つツールといえるでしょう。
企業であれば社員向け、学校法人であれば学生向けとしてどのように活用できるのか理解することで育成・指導に幅がでてきます。
そこで今回は、一般職業適性検査「GATB」の特徴や料金、評判などをご紹介します。

 

GATBとは


GATBは9つの能力を測定することで、適した職業を選ぶための情報提供を目的とした適性検査です。導入企業は採用や配置転換などのさまざまな場面で活かすことができるでしょう。

GATBは「進路指導・職業指導用」と「事業者用」に分かれます。企業は事業者用を選び、状況に応じて適性検査を行います。

適性検査を活用できる場面としては、以下が挙げられます。

  • 採用選考
  • 配置・再配置
  • 能力開発

企業は状況に応じ、さまざまな場面で適性検査を実施することが可能です。また、社員等の潜在能力として多様な適性能力を測定できます。配置転換を検討する際には、適性検査の結果を参考にしながら、社員ごとに適した部署へ異動できるでしょう。

以下は、GATBを提供している一般社団法人雇用問題研究会の会社概要です。

項目 詳細
社名 一般社団法人 雇用問題研究会
理事長 河村 敦子
発足 1948年(昭和23年)8月1日
2012年(平成24年)10月1日 一般社団法人に移行
住所 東京都中央区日本橋馬喰町1-14-5 日本橋Kビル2階

参照元:一般社団法人雇用問題研究会

 

GATBの概要(特徴・対象者・所要時間)

 GATBの概要(特徴・対象者・所要時間)に関しては、以下の表にまとめています。

項目 詳細
特徴
  • 新卒採用と中途採用の両方に対応している
  • 社員の能力開発に活用できる
  • 各企業が独自の適性能力基準を作成できる
  • 職業群別適性能力基準表を用意している
  • 紙筆検査には、T版とS版の2種類がある
対象者 中学生以上(15歳から45歳)
所要時間 〇検査種類

  • 紙筆検査(T版)・・・約60分
  • 紙筆検査(S版)・・・約40分
  • 器具検査・・・約15分から約30分

所要時間は、検査によって異なります。また、器具検査をする場合は事前に専用の器具を準備しなければなりません。

 

GATBの検査内容


GATBは16種類の下位検査があり、組み合わせによって各適性能力を測定できます。受験する場合は、以下の検査を受けることが可能です。

  • 紙筆検査
  • 器具検査

ここでは、2つの検査を項目ごとにご紹介します。

紙筆検査

紙筆検査はT版とS版があり、検査数や測定される適性能力などが異なります。以下の表に2つの検査をまとめています。

紙筆検査 下位検査数 測定可能な適性能力数 適性職種
T版 12個 7個(知的能力・言語能力・数理能力・書記適知覚・空間判断能力・運動共応) SE・設計製図・デザイナーなど
S版 7個 4個(知的能力・言語能力・書記的知覚・数理能力) 営業・販売・事務など

検査によって、時間や検査数が異なります。また、職種により検査するものが変わってくるでしょう。企業は、適性職種ごとに検査方法を決めてください。

紙筆検査の場合は、検査実施用指示音声を活用すると効率的に実施できます。検査実施用指示音声はナレーションを収録しているため、受験者への指示や時間の計測をする作業を省くことができます。

器具検査

器具検査はGATBが測定する主な3つの機能(認知機能・知覚機能・運動機能)の中で、運動機能を測定できます。運動機能の中でも「F:指先の器用さ」と「M:手腕の器用さ」を検査し、実施結果を出すことが可能です。

以下に、器具検査で想定される適性能力の詳細をまとめています。

適性能力 検査内容 検査種類
F:指先の器用さ 正確かつ早く指を動かし、小さいものを取り扱う能力を測る。
  • 器具検査3(組み合わせ検査)
  • 器具検査4(分解検査)
M:手腕の器用さ 手腕を動かす能力を測る。
  • 器具検査1(さし込み検査)
  • 器具検査2(さし替え検査)

検査を実施するためには、「検査器具」・「検査場」・「記録用紙」・「ストップウォッチ」が必要です。

 

GATBで測定される適性能力


GATBで測定される適性能力としては、以下の項目が挙げられます。

検査種類 項目 能力
紙筆検査 言語能力(V) 言語の意味等を理解し、使いこなす能力
知的能力(G) 説明・教示を理解し、判断する能力
数理能力(N) 正確に計算・応用問題を解く能力
空間判断力(S) 立体等を理解したり、考えたりする能力
書記的知覚(Q) 文字や数字を見分け、校正する能力
運動共応(K) 目と手などを共応し、正確に作業を遂行する能力
形態知覚(P) 物体や図解されたものを正しく知覚する能力
器具検査 指先の器用さ(F) 正確かつ早く指を動かし、小さいものを取り扱う能力
手腕の器用さ(M) 手腕を動かす能力

各検査を受けることで、それぞれの能力を測定できます。

 

適性能力と下位検査の繋がり


GATBで測定される適性能力は、以下の下位検査によって測ることができます。

項目 検査の種類
言語能力(V) 検査4・検査6・検査7
知的能力(G) 検査3・検査6
数理能力(N) 検査2・検査7
空間判断力(S) 検査4・検査11
書記的知覚(Q) 検査1・検査5
運動共応(K) 検査8・検査9
形態知覚(P) 検査10・検査12
指先の器用さ(F) 器具検査3・器具検査4
手腕の器用さ(M) 器具検査1・器具検査2

※各検査の詳細として、検査1(文字照合)・検査2(計算)・検査3(語意)・検査4(立体図判断)・検査5(名刺比較)・検査6(文章完成)・検査7(数的推理)・検査8(三角形打点)・検査9(記号記入)・検査10(形態照合)・検査11(平面図判断)・検査12(図柄照合)になります。

 

GATBの料金


GATBの料金は、コースによって異なります。以下では、GATBの2つのコースの料金を挙げています。

項目 料金
検査用紙 T版 451円(税込)
検査用紙 S版 396円(税込)
手引(採点盤・検査実施者用付) 1,815円(税込)

※2021年5月末日に、コンピューター判定サービスを終了しています。この検査は手引を使用し、採点や判定をしなければなりません。

GATBの評価

GATBの導入を検討している企業は、実際に利用した声を参考にするといいでしょう。口コミとしては以下のようなコメントがありました。

  • どの高校に行くかを決めるのも、偏差値と内申書で行けるところというだけでなく、職業を意識し、将来のことを考えて選んでほしいですが、GATBはそのきっかけになっていると思います。
  • 就職希望者を対象に、意識づけのために実施しています。
  • 生徒に将来の職業を見通して進路選択をしてもらいたいと思い、他の教材も使ってみましたが、これが最も良いと感じ、使い続けています。

引用元:一般社団法人雇用問題研究会

GATBは企業用だけではなく、学生向けのサービスもあります。学生等は将来の職業を決めるために活用でき、明確な目標を定められるでしょう。自らでは気付かない点を把握でき、新たな進路が見つかる可能性があります。

 

さいごに

GATBは、新卒採用や中途採用において活用できる適性検査の1つです。また、入社後に各社員の適性や能力を判断するために用いることもできます。9つの能力を測定でき、採用だけではなく配置転換でも活用することが可能です。さらに、社員の能力開発にも活用できるため、効率的な育成もできるでしょう。

自社に適した人材の確保や社員の育成を目指している企業は、GATBの適性検査を導入してみましょう。

また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較

採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。

当サイトでは他の適性検査ツールも紹介していますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。

【30種類】適性検査の一覧