適性検査ツールの紹介

OPQとは?仕組み・役立つ3つのシーンを解説

握手をしている

各企業は人材不足に陥る中、いかにして優秀な人材を採用しようか悩んでいます。そこで本記事では企業と入職希望者のミスマッチを無くすためのパーソナリティ検査である「OPQ」について解説していきます。

「OPQ」は採用面で役に立つのはもちろん、人事面でも期待されている適性検査です。この記事では、OPQを導入する3つのメリットも合わせてご紹介します。

 

パーソナリティOPQとは何か?

男女がホワイトボードに書きながら打ち合わせしている

パーソナリティOPQとは「日本エス・エイチ・エル株式会社」が制作した、職務に関係する個人の典型的な、または行動スタイルを測定するために作成されたアセスメントツールです。1970年代に英国で研究開発され、現在は30言語以上に翻訳され世界150ヵ国以上で導入されています。

採用面において、企業が入社希望者とミスマッチが起きないようにする以外にも、昇進昇格・異動などにパーソナリティOPQが活用されています。

OPQについて、以下の3つの内容を詳しく紹介していきます。

  • 導入する目的
  • 受検形態と料金
  • 測定項目

導入する目的

主に企業と入社希望者のミスマッチの改善・採用現場の「ウソ」を見抜くために導入されています。

たとえば「自社に貢献できる」と期待して採用した後、会社に合わず早期退職をするといったミスマッチを適性検査を入れることで未然に防げます。OPQによる適正テストは面接と比べ、入社後の業績評価の予測力が高いと評価されています。

面接よりも高い確率で良い人材を見つけられるため、OPQを上手く活用することは採用現場の悩みを解決できるため、企業にとってメリットが大きいと考えられています。

受検形態と料金

OPQは以下2つの受検形態があり、どちらもWeb受検することが可能です。

受検形態 WebOPQ 万華鏡30
受検方法 Web受検 Web受検
受検時間 20分 20分
日英対応 対応 未対応
料金 2,500円(税別)/名 3,600円(税別)/名

他にも「日本エス・エイチ・エル株式会社」が提供しているOPQには「ストレス耐性リポート」・「育成用帳票」などの多彩なオプション帳票が用意されています。

新入社員にどういったコミュニケーションを取れば良いのか、躓きやすい場面、フォローの方法などをアドバイスしてくれます。

測定項目

OPQでは一般的な職務適正だけでなく、以下のポテンシャルを測定可能です。

  • マネジャー
  • エグゼクティブ
  • 新規事業創造人材
  • 未経験職種・役職
  • ストレスに感じる環境要因
  • 上司・部下との相性
  • チームでの役割

採用では見抜くことが難しい、個人のポテンシャルから入社後の役割についても予測可能です。また、異動先の検討にも役立つため、慣れていない部署・現場に異動後も社員が今まで通りにポテンシャルを発揮できる可能性が高まります。

 

OPQの仕組み

マークシートで書き込みをしているい

OPQの回答方法はイプサティブ形式を採用しています。イプサティブ形式とは一般的な「当てはまる」「当てはまらない」で選ぶ形式とは違い、「最も当てはまるもの」と「最も当てはまらないもの」を1つ選択していく形式です。

イプサティブ形式により受検者が採用者の心理を先読みし、よく回答したがる傾向を抑制し回答のゆがみを防ぎます。

 

OPQが役立つシーン

OPQは企業のどのような場面で役立つのか。役立つシーンを以下にまとめたので紹介していきます。

  • 採用活動
  • 社員傾向の分析・蓄積
  • 異動・配置・配属
  • 人材の育成

採用活動

OPQは30項目の幅広いパーソナリティ領域と、網羅的な個人の能力・行動特性の予測で、新卒・中途など幅広い採用活動において役立ちます。

社員同行の分析・蓄積

キャリア全体を通して、測定領域を持つため社員傾向の分析・蓄積に役立ちます。蓄積されたデータは人材ポテンシャルデータとして可視化され、業績が良い優秀な社員の特徴を分析し、採用活動・異動で昇格要件にフィードバックも可能です。

異動・配置・配属

社員傾向の分析・蓄積で得たデータは、移動・配置・配属面で役立ちます。職務適正を参照することで、未経験職種であっても社員に適した移動・配置・配属が可能です。また、OPQで行われたテスト結果を元に昇進・昇格の参考情報とすることもできます。

人材の育成

ストレス耐性レポートを使用することで、社員が苦手とする要因を予測できます。また、苦手な部分に対してどういったフォローを行なうべきなのか、新入社員だけでなく、育成担当の社員の成長を促せます。

社員の特徴を知れるため、どういった研修を企画すればいいか検討もしやすいです。

 

OPQ分析を導入するメリット

タブレットや紙にデータが記載されている

OPQ分析を導入するメリット・効果について触れていきます。OPQ分析を導入すると以下のメリットがあります。

  • 応募者の性質を網羅的に把握できる
  • 採用後の仕事・ミッションでも役立つ
  • 多言語に対応しており世界中から人材を募集可能

応募者の性質を網羅的に把握できる

OPQを導入することで、入職希望者の性質を網羅的に把握できます。

  • 独自性
  • 創造的
  • 心配性

などの30ある行動因子が数値化されるため、新卒・中途採用で入職を希望する方の強み・弱み、職務適正を可視化できます。企業にとって必要な人材なのか判断しやすくなります。

採用後の仕事・ミッションでも役立つ

OPQは採用面だけでなく、採用後の仕事・ミッションでも役立ちます。一人ひとりが持つポテンシャル・特性が細かく可視化されるため、入職した後にどのように行動し、どのような成果を上げてくれるのか予測できます。

個々の適性を把握できるため、一人ひとり適材適所に合った業務をお願いできるのです。

多言語に対応しており世界中から人材を募集可能

OPQの受検形態は日英言語含めた37言語に対応しているため、日本だけでなく世界中から優秀な人材を募集可能です。

世界で活躍している優秀なマネジャー・リーダーとしてのポテンシャルを予測し、能力開発を支援します。

 

OPQの導入事例と利用者の声・評判

OPQは以下の企業で導入された事例を紹介していきます。
※2022年6月1日時点

セブン-イレブン・ジャパン

コストに対して得られる情報が多いため「OFC適性」の作成を実施。活躍してる社員にテストを行い、OFCのデータ分析によって、活躍度合いを10段階で予測する尺度の作成をしました。

社内の目線を揃えるために別部署でも同様に分析を行った結果、とことん追及する独創的なタイプ・自発的に実行するタイプで分かれていることが判明しました。

富士ゼロックス

富士ゼロックスでは、採用面で適正テストを使っており、配属時には上司に新人のデータを渡して、行動傾向と指導方法・コミュニケーション方法など説明がされています。

データの取扱方法や可視化されたデータの見方など、もともとはイギリスの会社なのに日本人でも、わかりやすいよう丁寧に説明してくれて助かったとコメントを残しています。

森永乳業

森永乳業でも、どのような人材がハイパフォーマーとなるのか分析を行い、採用に活かしたいという希望からOPQを導入。全社員に「こういう仕事が向いている」「こういうチームで働きたい」という前向きな気持ちになれば良いと思い、OPQを実施しました。

年1回のキャリア希望調査時にOPQを受けてもらい、5年から10年先に何をしたいのか自分のキャリアについて考えてもらっています。

積水ハウス

積水ハウスは、次世代のリーダーになれるような人材を早期に発掘するための課題解決として「日本エス・エイチ・エル」に相談をしました。アセスメントツールの信頼性と妥当性の高さから、OPQを使用することに決めました。

OPQ検査を用いてポテンシャルの評価を行い、「実績を縦軸」「ポテンシャルを横軸」に当てはめてリーダーに適している人材を見極めています。

どの企業も今活躍している人材だけでなく、5年後、10年後を見据えて優秀な人材を採用し続けることが必要と考えています。未来予測に基づき、今後の業務環境の変化にも柔軟に対応していこうと考えています。

 

OPQ以外のパーソナリティ検査を比較

パソコンを使いながら紙で打ち合わせしている

OPQと他のパーソナリティ検査を比較していきます。

適性検査名 OPQ ミキワメ 適性検査Compass
料金 2,500円(税別)~/名 500円(税別)~/名 2,000円(税別)~/名
検査時間 20分 性格検査10分
能力検査20分
2分
測定内容 知的能力(言語理解・計数理解・英語理解)
パーソナリティ
ヴァイタリティ
チームワーク
将来のマネジメント
適性
性格傾向
ストレス耐性検査
能力検査
ストレス耐性
職業適性
対人関係スタイル
基礎能力
テスト方法 Web Web
マークシート
Web

パーソナリティ検査は種類が多いため、目的を明確にして利用していくことが大切です。

 

OPQで入職希望者とのミスマッチを避ける

OPQの仕組みについての解説は以上です。OPQは入職希望者とのミスマッチを避けるためだけでなく、働いている社員のストレスを軽減するために、社員の性格・特徴を可視化し適している業務に異動を勧める目的でも活用されています。

また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較

採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。

当サイトでは他の適性検査ツールも紹介していますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。

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