採用選考では面接の他に「適性検査」を選考の一環として実施する企業が増えています。しかし適性検査と一口に言っても、その種類は多種多様です。
今回はあらゆる適性検査の中でも人物の「持ち味」と「メンタルヘルス」に焦点を当てた「V-CAT(ブイ・キャット)適性検査」をご紹介します。
V-CAT適性検査とは?
V-CAT適性検査は「34567…」というように1桁の数字が用紙に並べられ、隣同士の数字を足していく単純計算のテストです。では、そんなV-CAT適性検査では何が分かるのでしょうか。
「持ち味」と「メンタルヘルス」を測定する適性検査
V-CAT適性検査では受検者の「持ち味」と「メンタルヘルス」を測定できます。ストレスに置かれた状態では、その人の持ち味を発揮できるかどうかは「メンタルヘルス」に左右されます。
例えば、メンタルヘルスが高い状態であれば、その人の持ち味の長所が発揮され、反対にメンタルヘルスが低い場合には短所が目立つようになるのです。
「いい気分だったので仕事がはかどった」
「いつもできていることが緊張のため上手くできなかった…」
このような経験がある方は少なくないでしょう。
V-CAT適性検査は数字を足していくという単純作業を繰り返す中で、受検者がストレス環境下においてどのような変化をするのかを把握することを目的としています。
ストレス社会と呼ばれて久しい昨今、注目されている適性検査の1つです。
V-CAT適性検査の測定項目
V-CAT適性検査では受検者の「持ち味」と「メンタルヘルス」を測定します。それぞれの項目を詳しくみていきましょう。
測定項目①:持ち味
持ち味とはその人独自の性質や性格のこと。簡単に言うなら、長所・短所といった「その人らしさ」と言えるでしょう。
V-CAT適性検査では、個人の持ち味を「心理的活動テンポの遅速」と「心的エネルギーの強弱」の2つを組み合わせて分類します。
出典:V-CAT| JMAM日本能率協会マネジメントセンター
https://www.jmam.co.jp/hrm/course/assess/item_v-cat.html
測定項目②:メンタルヘルス
メンタルヘルスとは、心の健康状態のことを意味します。V-CAT(ブイ・キャット)適性検査では、メンタルヘルスの状態を「心のバランスの安定・不安定」「意識性の高い・低い」の2つの組み合わせによって分類します。
例えば、「心のバランスの安定」と「意識性」が最も優れた状態である場合「A-1」と判断されます。
参照:V-CAT| JMAM日本能率協会マネジメントセンター
https://www.jmam.co.jp/hrm/course/assess/item_v-cat.html
V-CAT適性検査の結果報告書は2種類
V-CAT適性検査の結果は「個人別報告書」と「会社用一覧表」の2種類の報告書により交付されます。
個人別報告書
個人別報告書は利用目的に応じて、以下の4種類から選択できます。
- 採用
- 社員特性
- メンタルヘルス
- 管理能力
「社員特性」と「メンタルヘルス」「管理能力」については、指導者用と受検者用の2種類の報告書が交付されます。
出典:V-CAT| JMAM日本能率協会マネジメントセンター
https://www.jmam.co.jp/hrm/course/assess/item_v-cat.html
会社用一覧表
会社用一覧表は受検者一人ひとりの特徴を一覧で確認できる報告書です。全体の傾向を掴み、結果を分析するのに有効です。分析結果より課題を発見し、問題改善につなげることができます。
出典:V-CAT| JMAM日本能率協会マネジメントセンター
https://www.jmam.co.jp/hrm/course/assess/item_v-cat.html
V-CAT適性検査の特徴3つ
ここからはV-CAT適性検査の特徴を紹介します。
専門家が1枚ずつ目視で確認
V-CAT適性検査はコンピュータではなく、専門性が1枚ずつ目視で確認しています。
コンピュータ解析では実現が難しい、細やかな検査を行っているのはブイキャットならでは。例えば「訂正箇所」「筆圧」「筆跡」など、コンピュータでは見極られない箇所までチェック可能です。
適性検査を受ける人の中には「自分をよく見せたい」と、偽った回答をする人も少なくありません。
アナログ的な手作業で確認するV-CAT適性検査では、万一、候補者が嘘を書いていても経験豊富な専門家の目により見抜くことができ、正確な結果を得られます。
人事担当者の負担が少ない
V-CAT適性検査の所要時間は約50分と短時間。
さらに試験はCDを流すだけ、と人事担当者の負担が少ないのが魅力です。
採用選考や社員研修には時間と手間が大きくかかります。人事担当者の負担の軽減に、V-CAT適性検査は役立ちます。
入社後の教育や人材配置にも利用可能
適性検査の多くは採用選考に使用されますが、V-CAT適性検査は入社後の教育や人材配置にも利用できます。
なぜなら、ストレス耐性や本人の強み・価値観など、社会で活躍するために欠かせない様々な能力を把握できるためです。
これらに基づいて指導の際に活かしたり、本人に合う部署に配属したり、とデータを長期に渡って有効活用できます。
V-CAT適性検査の活用例4つ
ここからは、V-CAT適性検査の活用例を4つのシーンに分けてご紹介します。
活用例①:採用
1つ目の活用シーンは採用選考時です。採用選考では候補者を客観的に評価することが重要ですが、面接官の「主観」によって面接が行われているケースは少なくありません。そうすると、入社後のミスマッチに繋がり、最悪の場合、社員が退職してしまうことも。
V-CAT適性検査では、受検者の総合評価・総合所見、基本特性、面接時のチェック項目などが提供されます。
上記の結果を採用面接前に把握すれば、面接官の主観から一旦離れて、客観的な視点から候補者を評価できるでしょう。
候補者の本当の「資質」を見抜け、入社後のミスマッチを未然に防げます。
活用例②:社員研修
2つの活用シーンは社員研修です。社員研修でV-CAT適性検査を活用する場合、「受検者本人用」と「指導者用」の2種類の個人別報告書が配布されます。
本人用の報告書では、受検者が自身の「持ち味」と「メンタルヘルス」を把握できるだけでなく、能力開発に関するアドバイスや、ストレス時の留意事項なども記載されています。
受検者が「自分らしさとは何か」を理解した上で今後のキャリア生活に活かせるでしょう。
また指導者報告書には、受検者の本人への指導や助言の仕方も記載されています。上司と共有することで、受検者の強みをさらに伸ばすためのキャリアプランを考えることも可能です。
活用例③:メンタルヘルス
3つ目の活用シーンはメンタルヘルス対応です。メンタルヘルスの変化を把握するために利用する場合、「受検者本人用」と「指導者用」の2種類の個人別報告書が提供されます。
受検者本人用にはメンタルヘルスの維持・向上に役立つアドバイスや、ストレス時の留意事項など、受検者がストレスに対処できるような工夫が施されています。
会社用一覧表には今回の結果と前回の結果が記載。結果を比較することにより受検者のメンタルヘルスの変化を把握でき、メンタルヘルス不調があれば配置転換をするなど早めの対応を取ることができます。
活用例④:昇進・昇格試験
4つ目の活用シーンは「昇進・昇格試験」です。昇進・昇格の場合、上司の個人的主観の考えや利害関係により、候補者が選抜されるケースが往々にしてあり、客観性に不安が残ることが少なくありません。
V-CAT適性検査を昇進・昇格の際に使用すると、受検者の「管理能力の発揮度」が明らかになります。
受検者が管理者として適任であるかどうかの判断材料の1つとして、V-CAT適性検査は役に立つでしょう。
管理者の選抜を目的とする場合は「受検者本人用」と「指導者用」の2種類の個人別報告書が提供されます。
V-CAT適性検査のメリット・デメリット、利用者の声
今回当社で適性検査ツールを導入された企業様に独自アンケートを実施いたしました。
ここでは、V-CATを導入した企業からの評判(メリット・デメリット)について紹介します。導入を検討している採用ご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
アンケートの概要は、下記の通りです。
<アンケート概要>
1.実施対象:人事担当者・経営者
2.実施日:2022/6/21~2022/6/28
3.実施者:株式会社ハリキリ
V-CAT適性検査を導入した理由
- 「ストレス耐性」や「持ち味」を多面的に測定できるから
- ストレスが多い職場環境の為、
その様な環境下で持ち味を発揮できるかを客観的に把握したかったため - 多面的な測定が可能
V-CAT適性検査のメリット
実際にV-CAT適性検査を導入した企業の大半は、測定項目が多く、内容に満足しているようです。
特に「結果報告書」が充実していると好評。結果報告書には「面接でのチェック項目」が記載され、実際の面接時にその項目を質問することにより、採用効率が上がると評価を得ています。
適性検査の結果を現場の上司と共有することにより、本人の持ち味を更に発揮できるようになった、との声も。V-CAT適性検査は採用選考だけではなく、入社後にも活かせる点も魅力の1つです。
V-CAT適性検査のデメリット
V-CAT適性検査を導入した企業の中には、測定項目には満足しているが、結果を十分に活かしきれていないケースがありました。
V-CAT適性検査を有効に活用するためには、何のために導入するのか、事前に検討しておくことが重要となるでしょう。
さいごに
V-CAT適性検査は「持ち味」と「メンタルヘルス」を測るテストです。経験豊富なプロが1枚ずつ目視で解析を行っているため、作為が反映されにくく正確なデータを得られます。
採用・社員特性・メンタルヘルス・管理能力とあらゆる人事評価に利用できるのも魅力です。
また、こちらの記事では各適性検査ツールの比較を行なっています。「どのように比較すればいいの?」「予算にあった費用のサービスを知りたい」という方におすすめです。
【徹底比較】適性検査ツールを5つの視点で比較
採用活動は、企業の今後を左右するといっても過言ではありません。自社の目的に合った適性検査を活用することで、書類選考や面接のみでは把握しきれなかった情報も踏まえて、採用活動の精度や効率アップが期待できます。
当サイトでは他の適性検査ツールも紹介していますので、気になるものがあればぜひ読んでみてください。